• テキストサイズ

Love Distorted 【気象系BL】

第3章 禁断の果実




荷物を受け取り戻ってきた彼女は
とても嬉しそうな表情をしていた。

「何を頼んだんだ?」

『ちょっとね、興味あったの』

そう言って彼女が箱の中から取り出したのは。
大きめのクッション。

そんなものを頼んでいたのか…。

「なんのクッション?」

『これ、お友達の奥さんから教えてもらったの
確かにふかふかね〜』

彼女が言うには、以前生活していたご近所さんの
おすすめの商品らしい。

なんでも生地がふかふかで、肌触りも良く
まるで雲みたいなんだそうだ。

「そっか、良かったな」

『ええ♪ 早速ベッドの上に置いてこようっと』

彼女は、寝室へとクッションを置きに行った。

そんな平和な日常を送っていた
ある日の休日。

やっと片付けも終わって、仕事も慣れてきた頃。
俺は家でひとりテレビを見ていた。

妻は、ご近所さんと仲良くなったそうで
今はその人たちとお茶会をしている。

そんな彼女が、出掛ける前にひとつ
頼み事をして行った。

『きっと今日の午後、宅配が届くと思うの
悪いんだけど受け取って貰えるかしら?』

あれからも彼女は通販にハマりっぱなしで。
最近その頻度が狭まって来ている気がする。

まあずっと家の中に居ても退屈そうだもんな…。

そして噂をすればなんとやら。
家のインターホンが宅配が来たことを告げた。

「はいはい、今開けますよ〜」

玄関に行き、扉を開けた。

『お届けものです、ここにサインお願いします』

「はい」

渡されたボールペンで、郵便物にサインする。
その時少しだけ帽子に隠れていた、お兄さんの顔を見てしまった。

「…っ、」

小さい顔、長い睫毛、すらりと伸びた鼻筋。
あまり大きくはない身体。

この人男の人だよな…。
なのになんでこんなにも目を奪われるんだ。

『ありがとうございます…』

「あ、待って…!」

俺は咄嗟に彼を引き留めてしまった。
振り返った彼をまじまじと見つめると、やっぱり男なのにどこか美しい人だった。

「その、妻が…通販が好きで」

『はあ…』

「よく頼むんだ、もしかしたらキミと顔なじみに
なるかもと思って…名前を聞いても良いかな?」

智「大野、ですけど…」


















/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp