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12色のアイ

第15章 誰にする?(フラウェver)


「だーかーらー!!何度も言ってるだろ!?百合はオレのだから!!」
「何を言っているんですか?彼女は七瀬さんのものだけではありませんよ?」
「もうっ!うるさいなぁ!とにかく、一織とじゃなくてオレと一緒にいるの!!」
「全く…こんなに駄々をこねて……。七瀬さん、子供みたいですね」
「くそぉ……いちいちむかつくなぁ…!」
「さぁ、百合さん。七瀬さんは放って、私と一緒に……」
「ちょ、だめ!ね、百合はオレの方がいいでしょ?ね?」
「ちょっと、七瀬さん、彼女を困らせないでください」
「それはこっちのセリフだろ!?」
「はぁ……埒があきませんね。仕方ありません。ここは彼女に決めてもらいましょう」
「うん!どっちを選んでも恨みっこなしね」
「いいでしょう。百合さん……」
「百合!」
「「どっちにする?/しますか?」」
………どうしてこうなった。
おかしい。この状況はおかしいぞ。
待って、やばい、頭パンクする。てかしてる。
ああもう、ほんとなんでこんなめんどくs……ゴホン、少女漫画のワンシーンみたいなことになってんの?
私は、私を挟みながら喧嘩をする2人に向かって声を絞り出すようにして言った。
「………時間、ちょうだい」


遡ること数十分前。
私はアイナナたちの寮のリビングで、数少ないオフをダラダラして過ごしていた。
「あ〜〜〜〜、まったり過ごすのさいっこう……!もういっそこのままソファと一体化したい〜〜〜〜」
ソファに寝そべりながら背伸びをしたところで、一織が顔をしかめながら入ってきた。
「何をやっているんですか。だらしないですよ」
「いーの。オフぐらいダラダラ過ごさないと死んじゃう」
「そうですか。それは大変ですね」
もー、冷たいなぁーー。
私がまた寝ようとすると、一織が手招きをする。
何かと思って行くと、テーブルの上にはケーキの入った箱。
「私の両親が作ったケーキです。この前、実家に顔を出した時にいただきました」
「へぇ…相変わらず綺麗で美味しそうだこと」
「よろしければ、一緒に食べませんか?」
「いいの?」
「もちろんです」
「えと、じゃあいただこうかな……」
そう言いながら椅子に座ると、リビングのドアが勢いよく開いた。
「百合!!さっき天にぃからドーナツもらったんだ!一緒に食べよ!!」
……デジャブ。
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