第2章 いざ!出陣! 【2】
黒い影は私に近寄ると、脇に置いてあった水筒をとり、蓋を開けて何かをコポコポと注いでいく。
入れ終わるとまた蓋をキュッとしめて、そっと脇に戻す。
いつかのように、頭を優しく撫でて帰って行った。
翌朝、目を覚ました私はいつもの様に辺りを見る。今日も変わった所はないみたい。両足を前に投げ出し腕を上にあげて、う~んと伸びをする。そして、だらりと手を下げると、脇に置いてあった水筒にコツリと手が当たる。
『(あっ!水筒出しっぱなしだった!出しておいても仕方ないし片付けよう!)』
水筒をリュックに片付けようと持ち上げると……
『(えっ!?水筒重くなってる!?)』
水筒を振ってみるとチャポンと音がした。急いで蓋を開けてみると、中にはお茶が入っていた。
『(あぁ…どうしよう…せっかくだから一口いただきます!………っ!玄米茶だ………美味しい………。)』
『(私が持って来たのはほうじ茶だったし…………誰がこんな親切な事、してくれたんだろう…………)』
嬉しさのあまり、涙が溢れてくる
『ありがとう………。』
小さな声で呟いた。
黒い影「っ!」
刀剣達「「「「「!?!?!?」」」」」
それから私は大切にお茶をちびちび飲みながら飴とチョコレートで日々を過ごした。
門の前で膝を抱えた暮らしも1週間が過ぎようとしていた。
『(はぁ~。そろそろもう……いろいろと限界………何か視界もぼやけてきてるし………)』
その頃、本丸の大広間では、刀剣達が集り何かを話し合っていた。