第2章 いざ!出陣! 【2】
黒い影は、目の前まで来ると立ち止まり何かを探すように辺りを見る
キャリーバッグを見付けると近寄り開けてゴソゴソと漁り出す
何かを手に取り戻って来ると、フワリと私の肩に掛けてくれた
黒い影はしばらく私を見つめた後、そっと手を伸ばすと優しく頭を撫でた
『う……ん………Zz…』
黒い影「っ!」
黒い影はそっと離れ、本丸へと急いで戻って行った
翌朝、眩しい陽の光に目を覚ます
『(う~ん…お尻痛い…背中も痛い…)』
そんな事を思いながら、手足を広げて伸びをする。すると肩からパサリと何かが落ちた…
『(ん?あれ?これ私のカーディガン?……いつの間に?夜中に寒くなって無意識に引っ張り出して羽織ったのかな?…)』
落ちたカーディガンを拾い上げると…
『(………っ!!)』
何やら赤い染みがついていた…
『(これ…血…だよね…?…はっ!私、寝相悪くてどこかにぶつけて流血したのかな?)』
身体中を見てみるが、何処にもケガはない…
『(………もしかして私、死んでる…?寝てる時に殺されたのかな…?でも死んでる事に気付いてないとか!?)』
頬をつねってみる…
『(痛い……。)』
どうやらまだ生きているようだ。ホッとしたのも束の間、ふと目に入ったキャリーバッグ
『(ぅわあーーーーーーーーーー!!いったい何がおきたの!?何があったの!?)』
キャリーバッグにも血がついていた
もちろん、そんな心の叫びに答えてくれる者は誰もいない……………