第20章 音駒高校学園祭!
あれから10分ぐらい経つと、やっと光太郎とリエーフくんが出てきた。
「黒尾なんで置いてくんだよー!」
「本当ですよ!ひどい!」
お互いがそれぞれの思いを叫ぶと、クロは呆れたように言った。
「お前らがうるさいからだろ…」
「あ、綾菜は大丈夫だったか?」
とつぜん光太郎が私に話を変えて、なんて応えようか迷っていると、私の代わりに木葉さんが私の代わりに答えてくれた。
「大丈夫だったよな?てか1番に出てこれたし」
木葉さんは私の目を見つめて、「な?」と言う。
…木葉さん、私のためにウソまでついてくれて。しかも演技が上手い。
「まぁ木葉のおかげだよな?」
「うん、木葉さんのおかげ。…本当に助かりました。ありがとうございます」
木葉さんのほうを見て頭を下げると、木葉さんは私の頭をふわりと撫でてくれた。
そんな姿をあの人に見られたと知るのはまだ先のこと。