第20章 音駒高校学園祭!
先生達が、頭に『音駒高校』と書いてあるハチマキを巻いて、手にペンライトを持って待機している。
すると、司会の人達が大きな声でアンコール、と叫んでくれる。
それに続いて生徒も手拍子やアンコールなどと、みんなで盛り上がってきた頃、司会の方がマイクに向かって言葉を発した。
最初はバスクラリネットのソロから始まり、そこにフルートが入る。
体育館のステージの下では、先生が綺麗に並んでオタ芸を踊っている。
みんなは先生の方を見て、笑っている。
それがちょっと、嬉しくて。
そんな時、となりでイスから立ち上がる音が聞こえた。
…あ、トロンボーンのソロだ。
てことは次、私のソロだよね。
…やばい、緊張する。
となりが座ると同時に、私は立ち上がり今までやってきたことを精一杯、これ以上無理ってくらいに出し切る。
だけど、やっぱりクロの方を見ちゃって。
チラッと、ほんの少しだけ見てみると、ちゃんと私のことを見てくれていて、口パクで『カッコイイ』と、言ってくれた。