第20章 音駒高校学園祭!
真っ白な布に金魚が3匹。
模様はものすごく綺麗で、とても気に入っている。
…だけどこれを着るのは恥ずかしい。
「これ、着ないとダメ?」
「あ、じゃあこれ着るならビラ配りだけにするよ!それならいいでしょ?」
ビラ配りか…。ただ宣伝用の紙を配ればいいだけだ。
「それなら、浴衣着なくていいと……」
「ダメなの!こんな可愛い浴衣の子を見たら誰だって綿菓子食べたくなるでしょ!」
「…なるかな…?」
「なる!」
この子のテンションは、女の光太郎みたいだ。
そんな馬鹿なことを考えていると、突然クロに呼ばれた。
…え、今クラスの準備があるはずじゃ…。
私は頭にクエッションマークを乗せながらクロの元へと駆け寄った。
「あ、綾菜音駒カップルのことで相談なんだけど」
それ、本当に出るんだ…。
てっきり冗談かと……。
文化祭楽しそうだけど、絶対疲れるよな…なんて考えながらクロの話を聞いた。