第19章 手のひら合わせて。
九月になり、とうとう学校がはじまる。
久しぶりに制服を着て登校するな…。
なんて、考えながらクロと研磨と私で学校に向かった。
学校につくと、クロとは昇降口が違うため、必然的に私と研磨だけになる。
「綾菜、課題のプリントやった?」
「やった」
「見してくれる?」
「うん」
二人で短な会話をすると、その後はずっと沈黙が流れる。
でもこの沈黙、きらいじゃないんだよな。
だから別に、そこまで気にしてないけど…。
なんてことを考えていると、研磨が口を開いた。
「なんか嫌な予感がする」
「え?」
私は思わず、そう返してしまった。
「綾菜とクロのあいだに、なんかありそう…」
なにそれ…
やめてよ、研磨の嫌な予感って全部当たるんだから…