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【名探偵コナン】幼女になりました。

第5章 ミステリートレイン


『コナンくん…っ少し、疲れたから…ここに、居てもいい?』
「あ、悪い。手繋いだままだった」

はぁ…どうやら本当に忘れていたらしい…。恨めしげに見つめると視線を泳がせ、ゆっくり休んでろよ!と部屋を出ていった。
ぱたんとドアが閉まるのを荒い息のまま見守り、先程の光景を思いだし口を開く。

『っさっきの…カード。ふぅ…指令が、書かれてるんでしょ?』

格好よく決めたかったが、思った以上に息が切れていた。「ここ座りなさい」と園子が空けてくれた場所に座り、蘭に渡された紅茶を一口飲み、喉を潤した。

『ふぅ。ありがとう!』
「それで?」
『さっき真純ちゃんが持ってたカード。あれ、私達が貰ったものと色も形も大きさも一緒だから、きっと犯人を庇ってって書いてあるんだと思って』
「すごい!大正解!」
「まぁ、君に見られた時からこうなることはわかってたさ。葵が残るって言わなかったら、ボクが言ってたよ」

葵の頭を撫でにこりと笑う彼女は暴かれて嬉しそうだ。

『それよりも!きっとコナンくんまた来るよ?』
「ああ。次来るときはもうバレてるんじゃないか?」
「言われる前に追い返しゃいいのよ!」
「もう!園子ったら…」

それで諦める男じゃないだろうに…。
そもそも彼女達も、こんなに早くバレるはずではなかったらしいが、探偵役が彼の時点で葵なら諦める。なんなら自分から言う。紅茶を飲みながらそんなことを考えていると、扉が開いた。

「あれ?あ、あのさ。ここってホントに…」
「8号車だって言ってんでしょ!?ガキンチョは部屋に戻って大人しくしてろってーの!!」

本当に言う前に追い返し、ふふん!とピースする彼女にあはは…と苦笑いを返すしかなかった。と少ししてまた扉が開く。

「この部屋ってさー、本当の本当は7号車のB室…だよね?」
「蘭姉ちゃんたちもこれと同じカード貰ったんでしょ?訪ねてくる探偵たちを惑わせろって…。葵ちゃんはカードに気づいたから残ったんでしょ?違う?」
「さすがコナンくん!」
「正解だよ!」
『言わなくてごめんね?』
「いや、真実は自分で掴んでこそ面白いからな!」

ニッと笑った彼に此方も同じものを返した。

『でも、疲れたのも本当だからね?』
「いや、ごめんって…」



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