• テキストサイズ

桜の木の下で【文スト】

第1章 桜舞う暁に


「どこにおるのじゃ?」
紅葉はを探していた。
「どうしたんだい?」
「あぁ、鴎外殿か。美味しそうな上生菓子を買ってきたから一緒に食べようと思ったんだがのぅ、が居らんのじゃ。今黒蜥蜴の3人集にも頼んでおるのだが、全然見つからなくてな」
「紅葉姐さん!!」
其処に走ってきたのは黒蜥蜴の銀だった。こんなにも慌てているのにも関わらず、鴎外は銀ちゃんが声を出すなんて珍しいねぇと笑っていた。
「そ、それどころじゃないんです!至急、首領の部屋に来てください!!」
ー首領室ー
「リンタロウ!遅かったじゃない。ちゃんと横浜駅限定のカシスオレンジのケーキ買ってきてくれた?!」
鴎外が首領室に入るや否やいきなりケーキの話を持ち出したこの幼女はエリス嬢だ。
「それがねぇ?エリスちゃん。『至急、首領の部屋に来てください!!』って銀ちゃんに言われちゃって、それどころじゃなかったのだよ」
使えないわね、とエリス嬢に言われて泣いている鴎外は放置し、紅葉は銀に訊ねた。
「それで、緊急事態とは何事じゃ?」
「それは私が説明させていただこう」
銀はシャイなのでな、と広津は言った。
「を探していたらこんなこんなものが置いてあったのだが、勝手に開けるのも少々気が引けたものでな。こうして呼ばせていただいた」
そう言った広津が持っていたのは『辞表』との綺麗な字で書いてある封筒だった。
/ 5ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp