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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●






照明が落ちる。

一瞬にして沸き起こる歓声。

愛美先生に腕を引かれ、立ち上がる。

心を揺さぶるようなサウンドエフェクトとステージを照らす照明。

これから始まる“最高のROCK SHOW”。

期待に胸は高鳴る。

こんなにも緊張を感じた事は今まであっただろうか。

心臓の音がドクドクと強く鼓動を鳴らしていた。



サイケデリックな照明は暗転。

暗闇を切り裂くかのようなギターの音が聴こえた。

それに続き地を這うようなベースとドラムのビートが絡みだす。

今までイヤホンの中から鳴り続けていた音楽。

その音楽が今、目の前で生み出されている。



きらびやかな衣装にいくつものライトを受け、姿を現したthe IVY。



何て色気があるのだろう。



これが日本を代表するロックバンドの姿。



前奏が終わり、伸びやかな高杉さんの歌声が重なる。



私は…夢でも見ているのだろうか。

未だかつて感じた事のない感情。



頬を伝う涙を拭う事もせず、ただひたすらにステージを見つめ続けた。






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