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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


◇◆◇



すり鉢状の客席からは思いのほかステージを見渡す事が出来た。

開演までは15分。

日本国旗の下、ステージ後方ではストリングスの演奏が初まっていた。



「橘先生、遅くなってごめんね。
グッズ売り場混んでて。」

「いえ。」

「限定Tシャツ欲しかったの。
これ、橘先生のタオルね。
私からのプレゼント。」

「そんな…」

「いいの。
だって今日は橘先生が初めてアイヴィーのライブを観る記念日だよ。」

「…ありがとうございます。」

「彼にもお土産に買ったんだ。」

「彼氏さん…今日は残念でしたね。」

「仕事じゃ仕方ないよ。
チケット申し込んでから気付いたんだよね。
でも、橘先生がアイヴィーのファンになってくれて良かったよ。
チケット、無駄にならなくて良かった。
空席作りたくないもん。」

「そうですね。
ありがとうございます。」



愛美先生は席に着くと、興奮気味に会場を見渡した。






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