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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


「…似てるね。」

「え?」

「高杉によく似てる。」

「高杉さんにですか?」

「高杉もそうやってすぐ謝るの。
こっちは何も気にしていない事でも。
“ごめんね”“ありがとね”って。」

「そう言われてみれば…。」

「“いい加減”に見えて実は“お行儀が良い”みたいなね。」

「その例え…分かります。」

「高杉はさ、ああ見えて周りの人への気遣いを忘れないの。
仕事の時は特にね。
常にロックスターである自分を演じてる。」



似ていると言われたのには驚いたが、高杉さんは本当に人を魅了する不思議な力を持っている人だ。

下品さも今となってはただの愛嬌。

ロックスターとしての高杉誠には好意すら感じている。



「あっ…さっき高杉が来るって電話きてたんだ。」

「え?これからですか?」

「トマトパスタ食べたいんだって。」

「じゃあ、早く着替えないと…。」



慌ててソファーから起き上がり、お互い下着を身に付ける。



「実はまだトマトソース出来上がってないの。」

そう笑う佐久間さんの柔らかな笑顔に胸が締め付けられた。



私の中の大きな“劣等感”。

佐久間さんはそれすらも受け入れ、私を深く深く愛してくれた。






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