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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


ふと、思い出したのは“彼女”の事だった。

小松加奈。

あれから私達はすっかりと会話が無くなり、今では授業で顔を合わせるだけだ。



時々廊下をすれ違う事もあったが、彼女の隣にはいつも朝倉さんがいた。

口数の少ない彼女の横で、小動物のように笑う朝倉さん。

正反対に見える彼女達は、意外と馬が合うのかもしれない。



しかし…女の世界は恐ろしいもの。



彼女が孤立するきっかけを作った飯田理沙。

クラスが離れたからといって油断は出来ない。

また何かのきっかけで彼女が標的にされはしないだろうか。

一度トラブルがあった人間とは修復が難しい女の世界。



佐々木さんのように、飯田理沙も彼女へ対しての嫌悪感を持ち続けているかもしれない。



しかし…

私は今、彼女が何を思い、何を感じているのかも分からない。

私は彼女の唯一の理解者。

そう思えたのも、はるか昔の事に思えた。



今、彼女の隣には朝倉さんがいる。



私にしか務まらないと思っていたその役は…朝倉さんのものに代わってしまったのだ。






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