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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


◇◆◇



4月になり、新学期を迎えた私の心境は“今年も担任を任されずに済んで良かった”だ。



真新しい制服に身を包んだ新入生の間をすり抜け、向かうのは保健室。

今日も彼女がクリームパンを片手に現れるだろう。

小松加奈。

春休み中の彼女の行動は把握していないが、先ほどの始業式では特に変化は感じられなかった。



…村瀬先生との関係は今も続いているのだろうか。



こうして新学期を迎えたのだから、心新たに勉学にだけ励んでほしいと思うのは私の勝手な望みだ。

きっと、彼女と村瀬先生の関係は簡単に解消出来るものではないだろう。



保健室のドアを開ける。

中にはコーヒーカップを戸棚から取り出す愛美先生の姿があった。



「お疲れ様です。」

「お疲れ様。」



愛美先生は満面の笑みで私を迎え入れてくれた。

彼女はまだ来ていないようだ。

いつものように、私は愛美先生と共にコーヒーをいれる。

彼女のマグカップにはココア。

少し大きめの花柄のマグカップは、すっかり彼女専用の物となっていた。






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