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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


「そういえばサクちゃん、LAのスタジオなんだけどさ…」と、話は変わった。

“仕事”の話…だろうか。

「うん。うん。」と佐久間さんは楽しそうに相づちをうつ。

聞いた所で私にはさっぱり分からない話が続く。



早々と食事を済ませ、キッチンへと食器を下げた。

二人は楽しそうにワインを飲みながら音楽の話に夢中だ。

本当に二人は仲が良いと思う。

まるで…私の存在など見えていないかのようだ。



キッチンで食器を洗う私の足元へ、コロが喉をゴロゴロと鳴らしながらすり寄って来た。

まるで私の気持ちを察してくれたかのよう。

コロの額を優しく撫で、冷蔵庫を開ける。

卑屈な事を考えるよりも、今は赤ワインに合う物を作ろうと思った。



先ほど高杉さんが言っていた“優越感”や“嫉妬心”。

そんな感情は微塵も無いが、この心の中に湧いた“疎外感”のような感情は何なのだろう…。



まるで“キラキラと輝いた二人の世界”を見せつけられているような…そんな気分だった。






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