第11章 良月
「いや…とびお。きも…ちいの。」
和奏が再び俺の首に腕を巻きつけた。
俺だって…気持ち良すぎておかしくなりそうだ。
和奏は限界が近そうだけど、俺だって、どのくらい保つか、わかったもんじゃない。
今すぐにでも持って行かれそうだ。
「悪い…。良すぎて…優しく出来ないかも。」
そう告げてから、腰のグラインドを早める。
「ひゃ…。イク…。すぐイッちゃう…。とびお…。」
「おう…。イけよ。」
「ああぁぁ。」
和奏が声を上げた途端に、中がギューっと締まって、
イッたのか…?
そう思った時には、俺も一瞬で持って行かれた。
全て和奏の中に吐き出してから、ゴムごと抜き去る。
これは、本当にヤバい。
一度味わってしまったら、次から我慢出来る気がしない。
自分の予想以上に早く達してしまったけど…
和奏は満足しているだろうか?
2ヶ月前に見かけてしまった和奏と月島の行為が頭をよぎる。
ぐったりとベッドに横たわる和奏を、背中側からギュッと抱きしめて、首筋に顔を埋める。
「…ん。」
うなじに付いたキスマークを親指の腹で撫でてみる。
2ヶ月前、ここにキスマークが付いてたんだ。
もちろん、そんなのとっくの昔に消えているが、
消えてしまっているからこそ、考えてしまう。
うなじ以外にも…例えば、和奏の全身のありとあらゆる所に月島がキスマークをつけたんじゃないかって。
俺以外の誰にも触らせたくない。
もう一度、同じ所にキスマークを重ねて、より濃いものにした。