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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第9章 有明月


とにかく、今日の事を謝らないと。
部屋の時計を見る夜の9時半を回ったところだ。
直接行こうかとも考えたが、また泊まってしまって同じ過ちを繰り返しかねないので思いとどまった。

携帯を取り出し、履歴に高頻度で登場する和奏の名前をタップした。

プルプルプル。プルプルプル。

機械音が響く。
何度か掛けたが、和奏に繋がる気配はない。

もしかして、怒っていて、出てくれないんじゃないか。
それとも、疲れて眠ってしまったままなのか。

心配が思考の大部分を占めたところで、機械音が途切れ、電話が繋がった事を知らせる。

「和奏?出るの遅いよ。何回鳴らしたと思ってるのさ…。」

何言ってるんだろ。
謝る為に電話したのに、これじゃ逆効果だ。
本当に我ながら素直じゃ無さすぎる。

それでも、和奏なら本心で言ってるわけじゃないとわかってくれるとも思った。

「皐月は今、電話に出れない。」

え…男?
掛け間違えて…はいない。
それにこの声…。

「…王様…?なんで、和奏の携帯に王様が出るの?」

2人は一緒に居るのか…?
今日、僕が和奏の家を出た後で…2人で会ったのか?
なんで?
和奏が連絡したのか?
まさか…。

「お前には関係ないだろ。それとも皐月と付き合うのに保護者の許可でもいるのか?」

頭に思い描いていた最悪のシナリオを王様がなぞる。

「は…?和奏と王様が?冗談ならせめて笑える冗談にしなよ。」

本当に…笑えない。

「お前が笑えるかどうかなんて、知るか。とにかく、お前らもう2人で会うな。電話もしてくるな。」

「…。ねぇ、怒らせないでくれる?なんで王様にそんな事を言われなきゃいけないの?」

和奏と話したいんだけど…。
今までごめんって謝って、
ずっと昔から好きなんだって、誰よりも大切なんだって伝えたいんだけど…。

「俺じゃねぇよ。皐月がお前とは会いたくないって言ってんだよ。」

和奏がそんな事言うはずないだろ。

「いい加減にしなよ。和奏に代わって。」

きっと話し合えばわかってくれるはずだから。
和奏…、そこに居るんだろ?

「いや、もう話す事ないから。」
[ピッ]

強制的な機械音で電話が切れる。
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