• テキストサイズ

【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第9章 有明月


何やってるんだろう…。
今朝の事といい、さっきの事といい…流石に反省してる。

菅原さんや王様に嫉妬なんかして…。
和奏に八つ当たりして…。
我ながら見苦しい。
和奏、泣いてたな。。。

別に和奏を苦しめたい訳じゃないんだ。
ただ、隣に居たいだけなんだ。
いつもみたいに隣で笑って欲しいんだ。

いつもって…。
ふと、思い出そうとした和奏の笑顔が思い出せなくて思考が止まる。

最近…和奏の笑顔を見ていない。
そんな事にも気付かないくらい…

「僕、何してるんだろ。」

思わず声に出る。

例えば、あの夜…僕が我慢さえしていれば。
むしろ、雷を怖がる和奏を置いてでも帰っていたら。

やめよう。
そんな、もしもの話。

これから、和奏の事を好きな奴はたくさん出てくるだろう。
現に中学の頃より、高校に入ってから方がモテている。
そして、いつか和奏が好きになる奴も現れるんだろう。
…想像しただけで、堪らなく嫌な気分になる。

このままの関係をどこまでも続けていけるとは、僕だって思っていない。

これから、和奏に彼氏が出来て、
よき幼馴染として、恋愛相談に乗ったり…
和奏が結婚するときは、結婚式でスピーチしたり…
そんなの考えただけで吐き気がする。

「ねぇ、和奏。パパとママくらい大人になったら、僕と結婚してよ。僕がずっとずーっと和奏の事守るから。」
幼い頃、その辺で摘んできた花を片手に、
今考えると、恥ずかしくて仕方ない…でも、その頃の僕なりに真剣な告白だった。

きょとん。とこっちを眺めて、首を傾げた和奏が言ったんだ。
「うん?蛍の隣には、いつも和奏がいるんだから、結婚して当たり前でしょ…?」

僕の隣に和奏がいる。
そんな当たり前を壊したのは僕だ。

わかってる。僕に残った選択肢は少ない。

和奏を諦めて、極力視界に入れずに、関わらずに過ごしていくか。
和奏に好きだと伝えて…どんなに拒否されても追い求め続けるか。

2択かと思っていたけど、現実的に考えて、前者は無理だ。
和奏の居ない世界なんかじゃ生きていけない。

伝えよう。
和奏が好きだって。
/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp