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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第13章 弄月


「僕と和奏は付き合ってません。ただの幼馴染です。」

そう。
蛍は誰にだっていつも、キッパリとそう告げる。
そして、私達はただの幼馴染なのだと、思い知らされて来た。

「ツッキーもそう思ってんの?」

だから、何度も確認して事実を浮き彫りにするのはやめて欲しい。
その度に、私の気持ちは底辺まで落ちて行くのだから。

「俺は…好きですよ。和奏の事。もう…10年以上も片想いです。でも、和奏にとって僕はただの幼馴染です。」

え…。
今…なんて…?

予想と180度違った蛍の言葉に、思わずカーテンを握ると、
その動きに気付いたのか、黒尾さんがこちらに視線を寄越した。

蛍の言葉の意味とか、
黒尾さんに見つかった事とか、
とにかく混乱していて、身動きすら取れない。

黒尾さんはニヤっとして言葉を繋いだ。

「それって…お互い確認したのか?ツッキーが好きって伝えても、皐月さんが幼馴染で居たいっていったの?少なくとも、俺には皐月さんがツッキーの事好きなように見えるけどね。」

それは…まるで、私に向かって喋っているようだった。
だって…蛍が私の事を好きなんて…そんなはず…。

「確認なんて無駄ですよ。今は王様…影山と付き合ってるですから。」

蛍の言葉にハッとする。
私…今、完全に飛雄の存在を忘れていた。。。

「ツッキーは真面目だねぇ。別に付き合ってても、俺なら奪うけどね。まぁ、告白するにしても、まずは今日の事許してもらうのが先だけどなぁ。」

どうしたもんかなぁ…なんて、黒尾さんが悩むふりをしながら、こちらを見ている。

私は情報を処理しきれなくて、
黒尾さんの視線にも耐え切れなくて、
ヘナヘナと床に座り込んだ。
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