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【報道系】夢小説

第1章 【Forever mine:増田貴久】






―――そのまま寝ちゃってたか。



ベッドの上は
昨夜の情事を思わせる
生々しさを残したまま、
隣にいるはずの恵麻がいないことに気付く。


ボーッとした頭を無理矢理起こして
室内を見回すと、
リビングから光が漏れ出ていて。


「……恵麻?」

「あっ……」

「何? オレのソロ観てたの?
まだまだオレが足りなかった??笑」


いつもだったら軽口を返してくる
恵麻が俯く。


ひょっとして……
泣いてる?


急いで駆け寄って
きつく、抱き締めて。


「ごめん、
軽率なこと言った。」


オレの腕の中で
力なく首をふる恵麻。


「違う。ひさくんは悪くない。
私の勝手な、ヤキモチ…。」

「……ヤキモチ?」

「うん…だって私、
コンサートで輝いてるひさくん、
観たことないから……。」


彼は、私の頭を撫でながら
優しく微笑んで…


「恵麻の気持ちは……わかる。
それにオレだって、
本当は恵麻に観てもらいたい。

だけど……、
それはできないんだ。

お前が危険な目にあうかもしれないの、怖い。

それに……
コンサートは夢の場所だから。

そこにリアルのお前を
連れていく訳には、いかなくて…。」

「うん、だから…言ってるでしょ?
ひさくんは悪くないんだってば!

あ……

ごめんなさい。
ちょっと、
一人になりたい。。」


強がる恵麻を
優しく、抱き寄せて――…。


「ダメ。
そんな状態のお前のこと、
オレが1人にできると思う?笑

他には?
他にも気になってること、
あるんでしょ?

ダメだよ。我慢しすぎちゃ。」

「……私、殆ど知らないの。
昔の、ひさくんのこと。

ファンの女の子達の中には、
ひさくんがデビューする前から
応援してくれてる人もいるし、

私より深く知ってくれてる人、
たくさん、たくさん……
いるんだよ。」

「……うん。」



お互いに言葉を探して
沈黙が続いて―――。



「ね、今からカラオケ行こっか♡」

「……今から?」

「そっ! 今だったら
人も少ないだろうし…

そうと決まったら早く行こっ!」


真夜中とはいえ、
二人でのお出かけが嬉しくて……


逸る気持ちを抑えつつ
ラフな格好に着替えて
手を繋いで玄関へと向かう。






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