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【報道系】夢小説

第3章 【ミステリア:増田貴久】






「杉原さん!」


街なかで突然、
懐かしい声に呼び止められる。


人混みの中から
声の主を探すと…


高校時代にできた初めての彼氏、
加藤くんを視界に捉える。


加藤くんは昔の面影を残したままの笑顔で


少し…、
気恥ずかしそうに軽く右手を挙げていて。


こんな人混みの中で
目立つようなコトをする人じゃなかったから、


気恥ずかしそうな加藤くんに
妙な懐かしさを覚えて
ふふっと思わず笑みがこぼれる。


急いで加藤くんのもとに駆け寄ると、
昔の面影はそのままに
色気を纏った加藤くんがそこにいて……。


―――ドキッ!


不覚にも胸が高鳴ってしまった自分に
戸惑いを隠せず、
慌てて平常心を取り繕う。


「久しぶり! 何年ぶりだっけ??」

「5年ぶり…かな。
杉原さん、綺麗になったね。」

「はい、悪口!笑」

「違くてw
前は前で、かわいい系だったじゃん。」

「加藤くんの口から
お世辞が聞ける日が来るとは
思わなかったなぁ…笑」

「別に、お世辞じゃないよ。
シゲの逃した魚は大きかったな…なんてw」

「人って変わるもんだねーw
前はさ、髪切る度に『かわいい?』
って聞いても『悪くはない』
としか言ってくれなかったのにね。笑」

「バカヤロウ!!w
女の子に面と向かって『可愛いよ』
なんて言える高校生男子がいたら
お目にかかりたいわ! 逆に!笑」

「あはは! 確かにそれもそっか!笑

なんか、話してると
全然久しぶりな気がしないけど、
やっぱりあの頃とは違うね。

加藤くんこそ、ステキだよ。」


はにかむ加藤くんを
まじまじと見つめながら言う。


「それはどーも!
お世辞返しあざーーすw

ていうか、このこそばゆい会話!
シゲ的には罰ゲームなんですけどww」

「自分から始めといて、よく言うよ。笑」


ひとしきり二人で笑い合うと…


真顔に戻りかけの、


私が好きだった表情の
加藤くんと目が合う。


うっかりしてると
吸い込まれそうな……


真っ直ぐな、瞳―――。











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