第2章 ✳第零条✳ 男の友情は利用するべし
恋禽「じゃじゃーん!」
変な効果音を出して、私が柊羽に見せたものは
柊羽「…【大恋愛憲法】?」
自作の憲法。
(条件はまだ未定)
恋禽「そう!憲法!」
あの後すぐに、私の部屋に柊羽を連れてきて
壁に貼ってある【大恋愛憲法】を見せた。
恋禽「ちょっと、相当痛いことしてるのは自分でもわかってるんだけど…作ってみた」
私の目の高さから、腰まである紙を2枚壁に貼ってある。
もちろん内容はまだ未定で、憲法の名前と公布日だけが記入してある。
柊羽「んで、これを見せて何がしたいわけ?まさか、俺に考えてほしいとか言わないだろーな」
恋禽「え、だって付き合ってくれるんじゃないの?」
柊羽「え?」
恋禽「言ったよね?『俺が付き合ってやるよ』って。…え?【彼氏できるまでの練習に】付き合ってくれるじゃなくて?」
柊羽「…お前、一文でどうやってそこまで読み取ったんだよ…」
柊羽は何故か、落ち込んだように呆れている。
恋禽「まぁ、これからよろしく!ってことで…」
私は、第零条と書き始める
ペンの音をキュッと鳴らし「できた」とキャップをして振り返る。
柊羽「第零条。……男の友情は利用するべし?!お前それはうざすぎだろ?!」
恋禽「大丈夫。一条からはちゃんと柊羽に考えてもらうから」
柊羽「俺が言いたいことは、そういうことじゃなくて!」
恋禽「え、零から考えたいの?」
柊羽「だーかーら、なんでっ……あー、もういいわ」
頭を右手で押さえながら、うずくまる柊羽。
恋禽「柊羽…。私ね、柊羽のためにも自分のためにも、絶対に彼氏作るから」
私は、柊羽を元気づけるために笑顔で話した。
柊羽「……わかったよ。手伝うから…」
恋禽「ふふっ。ありがとう。…よーし、ほら早速第一条考えて!」
柊羽「…いきなりかよ。ん…第一条ね…」
柊羽はしばらく悩んだ後、ペンを手に書き始めた。