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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第5章 壁外調査


ハンジの指示通り、エミリはモブリットと共に通常種の方へリノを走らせる。
巨人を見たことはあるが、実際に倒すことは今回が初めてだ。

エミリはあまり、立体機動を扱う兵士としての素質が無い。それは、自分が良く理解している。技術面での不安は正直あった。

それでも根性だけは誰にも負けない。技術が不足していのなら気力で、それでもどうしようもない時は頭を使って、そうして主席の成績を獲得した。

今、自分のことで信じることが出来るものは、自分の意志を貫き通す強さだけだ。


「私が巨人の気を引く! エミリはヤツの踵を狙え!! ヤツが倒れたら、項を削いで止めを刺す!!」

「はい!」


モブリットが巨人にアンカーを刺し、巨人の目の前へ飛び上がる。巨人は彼を捉え、モブリットに手を伸ばした。
ヤツの気が逸れ、エミリはその隙に足にアンカーを刺す。


「はぁぁああ!!」


そして、両足の踵を思い切り削いだ。
それにより、巨人は前へ倒れ込む。そこへヤツの上へ飛び上がったモブリットは、勢い良く項を切りつけた。


「……ふぅ」


巨人の全身から水蒸気が上がる。ヤツは弱点の項を切りつけられると、肉がなくなり骨のみとなる。
蒸気が発せられたということは、巨人を倒したという証拠だ。


「エミリ、良い動きだった」

「ありがとうございます」


初陣では、恐怖心で巨人に立ち向かうことが出来ない。新兵はそれが大半だが、やはり一度巨人の脅威に曝されているエミリは違った。モブリットは彼女と共闘し、改めてそれを実感する。


「ハンジさん達は……」

「心配ない」


奇行種を二体を相手しているハンジと他の部下達の方を見やる。
流石はベテランと言ったところか、既に二体とも倒れて蒸気を放っていた。

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