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兄に恋したはずなのに

第1章 初恋はピュアじゃない


「おい、由美。起きてるか?」


ある日の夜、私が部屋で寝ていると
兄が私を呼ぶ声が聞こえた。


「うーん。」


すごく眠かったということもあり、
私は少し驚かせてやろうとしばらく
起きないふりをしようと思った。


「なぁ、寝てんのか?」



その問いかけに私は応えない。
次、名前を呼ばれたら驚かせよう
そう思った次の瞬間だった。


ちゅ。


何かが唇に触れた。
あたたかくて柔らかい…唇…!?


パニックになった私は
完全に目を開けるタイミングを
逃してしまった。


「由美。すき。」


聞いたこともないような
とても甘い声で確かに兄は
そう呟いた。


私の心拍数はみるみるうちに
上がっていく。


「おやすみ。」


また小さくそう呟くと、
兄は私の部屋を出ていった。

目を開けてそのまま天井を見上げる。


何が起こったかをまだはっきりとは
理解しきれていない頭を
落ち着かせるように
今起こったことを口にしてみる。



「今触れたのは唇…、お兄ちゃんは私がすき。」



今お兄ちゃんは私にキスをして
好きって呟いて出ていった。


何が一体どうなってるのー!!?


私はそのまま眠れない夜を過ごした。
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