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# 3104【気象系】

第4章 # 4n5


そして迎えた8月。
世の中は所謂、盆休みというやつで
工房から見える海辺には沢山の人、人、人。

そう言えば、四国に来て一番最初にした仕事は海の家の手伝いだった
ビキニのお姉さんに『可愛い』なんてほだされながら、必死に焼きそばやカキ氷を売ってたっけ


「うっせーぞ、蝉!」

「仕方ないじゃん、夏なんだから」



今日はあの、桜のサーフボードの受渡し日
ボードは既に店に持っていってあるから、本当は僕達が立ち合う必要は無いんだけど、


「大丈夫だよ。達兄も言ってたろ?」


凄く喜んでくれた、って
確かにそう言われたけどやっぱり心配で。


「まぁ、実際にお客さんの反応見るまではな、」


オーダーメイドは何度経験しても毎回同じ様に緊張する
ジリジリと照り付ける太陽の下
夏の音を聞きながら、僕達は街中にある達也さんの店へと急いだ













「いらっしゃ… おぉ、お前ら丁度よかった!
奥のお客さんの接客頼む!」


今日はバイト君がいないのか、僕達を見るなり達也さんが“ゴメン”のポーズを取る


「俺行くよ」


慎吾が小走りで店の奥へ行ってしまうと、




――― プルルルル プルルルル ―――




今度は勢い良く電話が鳴り出した
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