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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第1章 愛月撤灯




「ああ‥嬉しい‥‥貴方が欲しいのです‥雅紀さんの全てが‥‥」


芳しい香りを放ちながら‥‥

白百合の花弁が私の頬を撫で‥首筋を這う。


そして私がその甘美な芳香に誘われて、赤く艶めいた果実のような唇を自分それで愛でてやれば、君は柔らかい舌を差しだす。


「‥んっ‥ふ‥‥っ‥」


湧きあがる快感を吐息で逃しながら私のタイを解いてしまうから、その手を取りそっと口づける。


「私も智の全てが欲しい‥美しい身体も、綺麗に啼く声も‥‥虚しく摺り抜けていってしまう心でさえも‥」


どれだけ愛しんでも‥私の心を通り抜けて、

遥か遠くを見つめているその瞳も‥。



私の言葉を聞いていた智は、幼さの残る頬に静かな微笑みを湛えた。





小夜啼鳥の鳴く声と、智の切なく喘ぐ声とが‥

私の部屋を、心を満たしていった。



ー一部・完ー
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