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【曇天に笑う】短編集
第1章 夕暮れ~蒼世~
『聞いたよ。海軍に入るんだってね。」
「天火か。…あのおしゃべりめ。」
快晴が続く毎日。ここは本当に平和になった。
『いいじゃない。おめでとう。』
「ふん」
犲はとっくに解散した。でもこの人は、いや、この人たちは犲の心を忘れていない。
私はそれを嬉しく思う。
「お前こそいい加減嫁の貰い手でも探したらどうだ?」
この言葉も聞き慣れた。仕方あるまい。蒼世は私のことなど何とも思ってないのだから。
『そうだね。天火にでも貰ってもらおうかな。』
「それは駄目だ。」
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