• テキストサイズ

rain of teardrop【黒バス/ジャバ】

第34章 wrong step on the stairs8



「ん……はァ…」

「チュ…、ちゅ……舌出せ…」

「!はぅ……んん…っ、ン…ふ、ぁ……――」

「……好きだぜ、名無し…――」

「ッ……」


改めて気持ちを自覚した瞬間に訪れたのは、胸の高鳴りに混ざるざわつきだった。

名無しは一瞬、その身を震わせた。


惚れて、惚れられる――。


名無しがこの場で認めたその気持ちは、同時に、何度も何度も第三者によって言及されてきたものでもあった。
なにも知らない人間が知ったような口を訊いてきて、勝ち誇ったように事実だと言い切られてきたそれ。

その第三者の……ナッシュの言葉は認めたくなかったし、言い切られることも率直に不快でしかなかったものだ。


「……っ」


が、結局は事実以外の何ものでもなかった。

どうして見透かされているかを考えたとき、こたえは怖くて絞れたものじゃない。

誰よりも彼がシルバーを見、そして関わりうる中で自分を見ていたから……なんて、ナッシュの手のひらでまわる駒のようで悔しかった。

互いを本気で……。


/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp