• テキストサイズ

rain of teardrop【黒バス/ジャバ】

第33章 wrong step on the stairs7



エレベーターで宿泊階に着き、ふと正面を見た瞬間に気付いたことがあった。

一部が鏡張りになっていたそこで目が合ったのは自分自身、その自分に表情があったことが、ナッシュはどうしても面白かった。


「……ハ…ッ」


一度鼻で笑うと、その後すぐ無表情に戻りながら部屋へと向かう。
どれほど今の状況を楽しみ、これから起こりうるかもしれない変化に期待を込めているか……。

それが、鏡のなかに映っていた彼の本音だった。




―――。


――。




「……どうしたよ…?まーたしおらしいじゃねえか……ン~?」

「……ッ」


咄嗟にシャワーの下に飛び込んでしまった。
そして気持ちよさげにそれを浴びるシルバーの背に迫り、腕をまわして立ち尽くす。


ただただ、顔を見られたくなかった。

自分がどういう表情をしているか分かっていれば、それを、シルバーが見て何かに気付かないわけがない。

ときにナッシュが彼のことを鈍い男と形容しようとも、名無しにとってはそこまで強く思えることではなかったのだ。


「……名無しー?」

「遅く……なって…その。……ごめ…」

「!……ァあ…?んなことかよ……別に遅せぇなんて思ってねえけどな…」

「だって…、……あの…居たし……」

「、ああ~……なんだ、押し倒されでもしたかぁ?」

「ッ……」

「……、おまえ…」


/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp