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いちご☆恋模様 PART2

第13章 嵐の文化祭 その6


「そんじゃ、またな」
「あ、はい。あの・・・・・・今日はわざわざ来てくれてありがとうございました」

今日は本当に長い一日だったと思う。ヒカリに『大嫌い』と言われた時は頭の中が真っ白になったが、今またこうしてヒカリは俺の側にいる。
色々本音でお互いに話せたし、よかったと思う。それに・・・いつになるかはヒカリ次第だが、俺達の関係も少し動き出した気がする。



「・・・」
「あ・・・え、えっと・・・」

俺がヒカリの顔を見つめると、ヒカリは目を閉じた。暗くてもわかる赤くなった頬と、痛いぐらいにぎゅっと閉じられた瞳。俺の胸ぐらいまでしかない小さな身体。

「っは・・・なあ、ヒカリ」
「っへ?・・・きゃああ!!」

少し笑うと、俺はヒカリの脇に手を入れて、ふわりと抱き上げた。そのままヒカリの背中と腰に腕を回して、ヒカリの身体を支える。

「ちょ、ちょっと!そ、宗介さん、いきなり何するんですか?お、下ろして下さい!」
「・・・こうすりゃ首痛くならねえし、足もつらねえだろ」

俺より少しだけ高い位置になったヒカリの目を見てそう言った。

「・・・へ?」
「・・・これからはいつもこうしてやるよ」

・・・そうだ。例え身長差のせいでしにくかろうが何だろうが、俺はヒカリとキスしてえ。ヒカリが気にするんだったら、いつだってこうしてやる。

「や・・・あの、でも・・・肩・・・」
「平気だ。お前・・・軽いから」

ヒカリの言葉を遮るようにそう言った。前にも抱き上げたり、背負ったことがあったが、その時と同じで、見た目の印象そのままにヒカリの身体はとても軽かった。



「ででで、でもっ!こ、こんなこと毎回されたらっ!私、心臓飛び出ちゃいます!!あ、朝もそんなこと言いましたけど!!!」

真っ赤になった顔を隠すように、ヒカリが俺の首にしがみついてきた。

「そうか、そいつは困るな・・・・・・でも、なあ・・・ヒカリ」
「っっっ!・・・そ、宗介・・・さん・・・」

耳元で囁くと、ヒカリは身体を震わせ、顔を上げた。さっきよりも赤く染まったヒカリの頬を見て、少し笑ってから、下からすくい上げるようにそっとキスをした。
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