第4章 ジンベエザメの試練 ふたたび
何度でも口付けたくなる衝動を、理性を総動員して抑えつけ、身体を起こそうとした。その時だった。
「ん・・・宗介さん・・・もっと・・・」
ヒカリの口から漏れた甘いおねだりに理性がぶっとんで、再びヒカリの上に覆いかぶさった。もう一度唇を触れ合わせ、舌先で軽くヒカリの唇をつついてやると、固く閉じられていたヒカリの唇が少しだけ開いた。
「っは・・・そう、すけさん・・・」
その瞬間を逃さず、俺は自分の舌をヒカリの・・・・・・
ーーーーーピンポン!ピンポン!!ピンポン!!!
チャイムの音が家中に鳴り響いた。
その音に反射的に身体を少し起こす。
「・・・あ!誰か来たみたい。私、行ってきます!!」
「あだっ!!!」
そして、勢いよく身体を起こしたヒカリの頭が俺の顎に直撃した。そのまま、ヒカリはパタパタと玄関の方へと向かっていってしまった。
「・・・・・・マジかよ・・・ってー・・・・・・」
痛い顎を擦りながら、俺は久々にそう呟いたのだった。