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いちご☆恋模様 PART2

第3章 Happy Birthday!


「あー、あと・・・いちご大福とか言って悪かった」

もういいかとも思ったが、さっきあれだけ怒らせたし、この際だからといちご大福の件も謝っておく。


「ほ、本当ですよ!もうホントに私、腹が立って、危うくいちご大福が一生食べられなくなるところでした・・・まあ食べますけど」
「はっ!結局食べるのかよ」
「わ、笑わないで下さい!」

ヒカリの言い分に思わず笑ってしまう。そしてそんなヒカリの顔はもれなくいちごのように赤いわけだが、さすがにそれは言わないでおく。代わりにその赤い頬に軽く触れてやると、予想通りそれはさらに赤くなった。






「そろそろ帰るだろ。家まで送ってく」
「あ、そうですね・・・あー、えっと・・・」

そのまま少し話したりしてると、いい時間になったので、俺はヒカリを家まで送ろうとした。だが、なぜかヒカリは何か言いたそうな表情になり、口ごもってしまった。

「どうした?」
「あ、あのですね、宗介さんの髪に糸屑みたいなのが・・・」
「は?どこだよ?」

ヒカリの言葉に、反射的に頭に手をやる。

「い、いえ、まだとれてないので、ちょっと屈んでもらえませんか?」
「・・・こうか?」

少しだけ背を屈める。

「あ、あの、それじゃ届かないので、もうちょっと・・・いえ、もう・・・かなり、屈んでもらってもいいですか?」
「・・・ちび」
「ち!びじゃない・・・くはないですけど!」
「はっ、なんだよそれ・・・これでいいか?」

ヒカリの言い方に笑いながら、さっきよりもかなり背を屈める。俺の顔は、ほとんどヒカリと変わらない位置になった。
こいつ、こんな低い目線で普段生活してんだな、なんて思っていると、不意にヒカリの顔が俺に近づいてきた・・・と思ったら、次の瞬間には頬にあたたかいものが触れていた。

「・・・お、お誕生日おめでとうございます、宗介さん・・・だ、だいすきっ!・・・そ、それじゃ、今日は一人で帰りますんで!」

俺が何か言おうとする前に、ヒカリはすごい速さで改札を抜けて行ってしまった。

「・・・っは」

ヒカリの唇が触れたところに手をやり、少し笑う。

このままの顔で寮に帰ったんじゃ、さっき愛が言ってたとおりになっちまうけど、それも悪くねえな、なんて思った。
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