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いちご☆恋模様 PART2

第17章 でこぼこなふたり


ひらひらと手を振って、二人の前から姿を消したつもり・・・だったんだ。

だけど・・・やっぱり気になっちゃうよね。あの無愛想な宗介がどんな風に彼女を慰めるかって。

おっきい柱の陰に隠れて、僕は二人のやり取りをこっそり見ていた。


彼女は、まだ落ち込んで俯いているみたいで、そんな彼女に対して宗介はあたふたとしているみたいだった。
うーん、なんかホントに悪いことしちゃったかも・・・そう思った時、宗介がよしよしって、小さい子にするみたいに彼女の頭を撫でてあげていた。撫でられている内に、彼女の俯いていた顔がどんどん上がってきて、最後にはにっこり笑って宗介を見上げてた。宗介も、今まで見たことがないくらい優しい顔をして彼女を見つめてた。

少しの間そうしてると、また二人はさっきみたいに仲良く手を繋いで歩き出した。

二人の後ろ姿・・・普通の人よりもずっとおっきい宗介と、女の子の中でも多分かなり小さい方のヒカリちゃん。見た目にはなんだかすごくでこぼこだけど、僕にはとてもお似合いに見えた。



「・・・よかったね、宗介」



小さな声で言うと、僕はその場を後にした。



また少し歩いていると、今度は凛に出会った。今日は昔の友達によく会う日だなあ。

「おー、貴澄じゃねえか。買い物か?」
「うん、そんなところ・・・あ、さっきね、宗介にも会ったんだよ!ふふふ、ちょうど彼女とデート中でね・・・」

さっきの宗介達の微笑ましい姿を思い出したら、なんだか笑いがこみ上げてしまった。

「お前・・・宗介のこと変にからかったりしてねえよな」

・・・さっすが凛、僕のことよくわかってる。でもまあさっきのはからかったわけじゃないし、いいよね。

「してないしてない!・・・でもさ、なんか可愛いよね」
「あーヒカリか?」
「うん、彼女も可愛かったけど、宗介が・・・ね?」

僕がそこまで言うと、凛も僕の言いたいことがわかったらしく、にかっととてもいい顔で笑った。

「な!あいつヒカリが絡むと、すげえ可愛いんだよ・・・あ、可愛いは気持ち悪いな・・・うん、面白いだわ」
「あはは!それもそうだね!」

なんて凛といっしょに笑い転げちゃったけど、宗介とヒカリちゃん、あの二人がずっと仲良くいてくれたらいいな、って心から思った。
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