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そんな目で、見ないで

第4章 許して○○


「おい!玲香!」

深緑色のビール瓶を床に叩きつける。すごい勢いで叩いているのに割れないビール瓶を私は尊敬したい。
私は自室からのろのろと出ると父が私を睨みつけて財布を投げつけ、私の肩にあたった。
ぼろぼろになった黒の革財布。
この財布はまだ母も父も普通の頃に母が父に誕生日にプレゼントしていたものだった。
酒臭いアパートの一室に今日は母はいない。
母がいない日には私がこうしてパシリに使われる。今はもう23時だ。

「なにが飲みたいの?」

「これと一緒のだよ!!!」

父が勢いよく転がしたビール瓶が足元にあたる。
筆文字で書かれた酒名。たしかに最近はこの酒の匂いがよくする。
私は無言で頷いて家を出る。
私の家からコンビニまでは5分だ。
未成年か確認するかどうかなんてあそこのコンビニではしていない。
ガムを噛みながら接客する店員とあからさまに私の胸を見てくる変態な店員しかいないこの時間帯に酒を買いに行ってもなにも問題はない。
あるとしたらこの暗闇で誰かに襲われるとかだが、未だにその経験はない。

「らっしゃいませー」

私はコンビニに入るといつも通り酒棚に行き、いつもの酒を手に取り、レジへと運ぶ。
今日は私の胸が大好きな店員だった。お釣りを渡す時に必ず目が合わない。
そしてコンビニを出て家に戻ると父がなにかを殴る音が聞こえてきた。
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