第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
~バースデーカード~
バラの花束が描かれた、小さな封筒を手にする。
「何か記念になる物を、とも思ったのですが………」
あれこれ悩み過ぎて、決められなかったのだ。
私は、言い訳しながら、おずおずとゼノ様に手渡す。
「バースデーカードか」
封筒を開き、中からカードを引き出すと、しばらくじっと見て、口を開く。
「………マイン、お前らしい、いいメッセージだ」
その言葉を聞いて、嬉しくて頬が緩んでいく。
「俺もお前に贈りたいが、カードがない」
「え、いえ、そんな。これは、ゼノ様への誕生日のプレゼントなのですから」
ゼノ様が、手招きしている。
引き寄せられるようにベッドの中に再び戻り、ゼノ様の横に座る。
「ここに、書いてもいいか?」
ツ――ッと、私の胸元をなぞる。
「あ、え………な、何を………?」
シーツを巻きつけた胸元を何度もなぞり………。
肌とシーツの間に、指を差し込まれる。
ハラリとシーツが落とされ、素肌がさらされる。
「きゃっ」
私は、慌てて両手で胸を隠す。
その手の甲の上を、ゼノ様の人差し指が、しなやかに滑っていく。
そのまま下降していき、おヘソの周りでクルクルと円を描く―――。
「………ん、っあ、や………」
ゼノ様の指から逃れようと身をよじると、軽く肩を押され、なすがままにベッドに沈む。
「………ぁ………」
続きを、と言わんばかりに、指がおヘソの下をなぞり………。
「何と書いているか、わかるか?」
「え………、えっと………っん、ぁ、や………わかんなっ―――」
ゼノ様の指は、更に下へと向かう。
ゆっくりと、優しく、茂みを弄ぶかのように、動き続ける。
もどかしくて、堪らない。
あぁ、もっと………もっと、触れてほしいのに―――。
「何と書いている?」
同じ質問を繰り返す、ゼノ様。