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死の道へ

第4章 「狂い」


いずれにしても、物語通りにはいかない。

だけど、負けない。

俺は、剣を構えて、闇璃に斬り掛かった。

それを、彼女は受け止めた。

激しい音が、校庭中に響く。

流石、闇璃……実力は上だ。

だが……。

剣は、光って大鎌を右に振り払う。

キイイィーーッ!!

闇璃の表情が変わった。

『っ!?』

今だ!!

俺は、闇璃に向かって斬る!

彼女は、避けたが……。

俺の剣には、彼女の血が付いていた。

はっきり言って、平然とあまり出来ない。

動揺してしまう。

俺は、彼女の方を向く。

彼女が、怪我をした場所は、右肩だった。

右肩から、血が流れ出す。

『…っ。』

駄目だ、動揺してしまう。

闇璃の右腕は、ダランと力無く落ちていった。

彼女は、大鎌を左手に持ち替えた。

彼女の表情は、苦痛に歪んでいた。

……本当は、痛いんだ。

闇璃は、再び俺に襲い掛かって来た。

自分の傷を庇わないで……。

『…なかなかやりますね。瀞哉さん。ですが…。』

右から大鎌が迫って来た。

勿論、受け止める。

すると……。

俺の腹に、激痛が走った。

『っが!?』

俺は、離れた。

今まで以上の蹴りだった。

口の中が、血の味がした。

相当のダメージだった。

俺は、腹に手を添える。

『いてぇ…。』

すると、彼女は……。

『…。明日…学校だ。だけど…私は、二度と学校には戻らない。』

そうだ……明日は、学校がある。

だけど、そんな場合じゃない……。

決着をつけないと……。

だが、足に力が入らない。

『っ!?な、なんでだよ…。』

マズい、今の状態だったら、確実に俺は殺される……。

彼女は、俺に殺しに来るかと思いきや……。

黒い霧を発生させた。

そして……。

『…さようなら瀞哉さん。せいぜい……。私に殺されないでくださいね。』

と言い残し、彼女は消えていった。

……明日、彼女は学校には、現れない……。

クソ……。

俺は、家に向かって歩き始めた。

これで……良かったのだろうか……。

……だけど……。

この時、俺と闇璃の運命が終わるという事を……。

誰もが知らなかった。

物語の意味も知らなかった。
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