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死の道へ

第4章 「狂い」


そして、俺は……。

『闇璃が…父さんや母さんを殺したのか!?』

彼女は、頭を少し下げて、数秒黙った。

顔を上げて悪笑いをした。

『クククッ。そうですよ!?悔しいですか?瀞哉さん?悔しいのなら…。』

いきなり、彼女の表情が変わった。

彼女の瞳には、殺気が宿っていた。

『…殺せよ?』

今まで、聞いた事ない低い声を出した闇璃。

俺は、驚いた。

……っ……。

これが、彼女の宿している死神の正体なのか……?

まだ、信じらんない。

だけど……もう戻らない。

あの時が、どれだけ俺が幸せだったという事を……。

闇璃は、幸せだったのかな?

生まれた頃から、恨みという呪縛に縛られていたのかもしれない。

闇璃は、俺に再び襲い掛かった。

大鎌を剣で受け止めた。

俺は……一番聞きたかった事を、闇璃に聞いた。

『闇璃!!今のお前の瞳には、俺は…。俺は…どんな風に映っている?』

彼女は、俺から離れた。

彼女の表情に一瞬、歪んだのだ……。

『…。…私から見える瀞哉さんは…。』

彼女の顔が、下に向いた。

『――――に、見えます…。っ…。』

また、最初の方が聞き取れなかった。

それも……小声だったために。

紫の文字も、見たけど、どうも宙には漂っていなかった。

俺は、首を傾げた。

彼女は、大鎌を構えた。

悪笑いをする。

『だから、今の私には、貴方は敵にしか見えないっ!!』

敵……。

やっぱり、そうか……。

……俺の心も砕けていくな……。

……しょうがないか。

相手が、死神だから。

俺は、息を吐いた。

『…そうか。わかった…。望み通り…。俺が…闇璃を…。…っ…殺してやるよ!』

俺は、やっとの思いで覚悟を決めた。

俺は、闇璃に……この……想いを告げないで……。

闇璃を殺す!

……告白は、諦めよう。

全てを捨てて……。

彼女は、大鎌を掲げて……。

『さぁ、瀞哉さん。殺し合いを始めましょうか。どっちが、生きて、どっちが死ぬか…。覚悟を決めて。…っ。あの物語だったら…。』

???

あの物語?

あの話の事か……そうか最後、天使が生き残った。

だけど、今回はそうはいかない。
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