第2章 うしろのしょうめんだーぁれ
んでもって、その食えない会長さんが暇を訴えて、提案した事には、
「ゲームでワシに勝てば、おぬし等にハンターの資格を与えよう」
だそうで。
やる気な二人を尻目に、わたしは早々に部屋へと戻ろうとした。
あくびをするわたしに、ゴンが呼びかける。
「エレンはやらないの?」
「やらない。ハンターに成りたいわけじゃないし」
あまりにすらっと出た言葉に、自分でビックリし目を見張る。
――今、喋ったのは誰だろう。
いや、言葉自体は紛れもなくわたしの声帯をとおり、口から発せられたものだ。
こんな事を言う自分が心底意外だった。わたしはこんなにあまのじゃくだったろうか?
――ハンターになるためにここに居るのに?
彼等は意外そうな顔をしている。わたしの表情は、変わらない。無表情。
どうして、とゴンは問う。不思議そうに首を傾げて。
そんなこと、わたしが聞きたい。だったらどうして、ハンター試験なんかに?
キルアは計るようにこちらを凝視していた。
その視線とかち合った時、自然と顔の表情が変化していく。
ふわりと、自分でもぞっとするような
「そんなものを手に入れても、意味は無い」
――冷笑。