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Dearest〜最愛の君へ〜

第9章 姉の顔





ーーー・・・



次にリオが立ち止まった先は、駅の近くの飲み街だった。

ここは、学生達も頻繁に利用する通りで、土曜日である今日は一層賑わっている。


「ミオがどうしたの」

「あそこ!」


リオが指さすのは、とある店。
その店の前に、見知った少女が立て看板にこてんと頭を預けて目を閉じている。


・・・ミオだ。


リオの、双子の妹である、ミオだ。


「あ〜ありゃ酔って寝ちゃってるね」

「ミオってば、ママに似てお酒弱いのに飲み会であんなに飲まされて・・・」


そうこう話をしていると、店から数人の男女が出てきた。


「ちょっとミオ〜?大丈夫?」

「あ〜こりゃ完全に潰れてんね、ミオちゃん」

「どうする?カラオケ行っても寝るでしょ」


眠るミオに水を渡したりと、介抱してくれている様子の女の子は見た事がある。


(あの子、女バレの子だ・・・)



「家まで送ってく?」

「あ、じゃあ俺、送るよ。みんなで先カラオケ行っといて!」


そう立候補したのは、金髪ノースリーブに白の短パン姿の、いかにもチャラそうな見た目の男。


「だめよ!そいつさっきの飲み会でもずーっとミオのこと見てたんだから!そいつに送らせちゃだめ!!」


及川の耳元でぎゃあぎゃあ騒ぐリオ。


「うん、あれ、確実にお持ち帰られるよね」


その先が手に取るように分かってしまう。

だって、あの男、口元緩んでるし・・・


「徹くんお願い!ミオを助けて!!」


藁にもすがるような顔で懇願するリオに、及川は断る理由は無かった。


及川は無言で、ずんずんと、

彼らの元へ歩き出したーーー・・・




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