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Dearest〜最愛の君へ〜

第15章 願えるなら僕は





ーーー・・・


「英くん、お疲れ様ー!」


その後及川さんにご馳走になって、それから別れた。
俺は及川さんを電車のホームまで送った後、ミオに電話をかけた。

まだ、大学を出たところだと言うミオを、駅の前で待っていると、暫くして部活終わりのミオがやってきた。


「お疲れ、ミオ」

「うん、あれ?今日夕方には終ってたよね?」

「うん、あれからちょっと、及川さんと駅前で飲んでた」

「そうなんだ」

「ね、久しぶりに一緒に帰ってもいい?」

え、ときょとんとするミオ。


「ミオの家の最寄りまで送るから」

「良いけど、そしたら英くんが遠回りになっちゃうんじゃ・・・」


ここからなら逆方向に乗るはずの俺を見上げるミオ。
そんな彼女に、俺は僅かに微笑む。


「久々にあったらもっと話したくなった。これじゃ理由になんない?」

そう言って、ミオが持っていた横がけのカバンを持った。

「ほら行くよ」

「あ!自分で持つよ!英くんだって荷物あるのに」


そこから、荷物を取り返そうとするミオとの追いかけっこをしながら、俺達は電車に乗った。








ーーー・・・



車内で、隣同士に座る。


「へぇ、及川さんとは一緒に登校してんだ」

「ま、まぁ学校があるうちはね」

「及川さん、ミオのこといじんの好きって言ってたよ」

「え!私は楽しくないよ!ほんといつもからかわれるんだもん」


そう言って黒髪を触るミオ。
嫌がってるようには、全然見えないけど。

他愛ない話をする度に、小学校からずっと隣にいた思い出が蘇った。


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