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妖狐の籠

第2章 烏


すると、一匹の猫がこちらにやってくる

生憎こちらは『化猫』だ

普通の猫じゃない


一匹の雌猫はこちらをじっと見ている

…ん?

何故、この猫から妖気を感じるんだ?

もしかして、目の前の雌猫も…


その時、

『化猫』から『烏』の姿へ戻る

羽を大きく広げ伸びをする


「うにゃっ!?右烏にゃっ!?」


すると、目の前にいた『化猫』が

俺と同じくらいの目線になる


俺たち妖怪 …と言っても

姿は皆、『人』に似ている

二足歩行で歩く

そして、『烏』や『化猫』は

動物そのものに姿を変える事も出来る


「…なんだ 猫都(ねこと)か
どうしてこんな所に」


猫都も数少ない俺の友

狐珀と猫都と俺は歳が近い


「数少ない友の狐珀を見に来たにゃ」


『化猫』の族は

無意識に語尾に にゃ とつける


「やっぱりそうか…
俺もそうなんだけどさ」


「このままだと大変だにゃ
次は結界がどうなるかわからにゃい」


猫都も思っている事は同じだった


「狐珀とあの少女を引き離すのにゃ
…これも狐珀のため
いや、私たち妖怪のためにゃ」


猫都は心苦しい顔をする

それもそうだ

俺だってこんな事はしたくない

狐珀は友で

オマケにいい奴だ

しかも、あれで

魔力は『狐』の族で屈指だ


「これで怖いのが
狐珀が反撃に出た時だな
あいつの魔力には太刀打ちできない」


俺と猫都の間に沈黙が流れる


「だから、そうにゃる前に
狐珀の友である、右烏と私で
少女を引き離すのにゃ…」
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