第192章 三成と再会
葉月は三成に名前を教えると、成を三成の前にずいと両手で突き出す。
「成、この人が貴方のおとうさんだよ」
「とっ!」
成は三成の顔を見て、すぐ父と呼ぶ。
「三成様、ちゃんとおとうさんだって認識されてますよ」
くすりと微笑んで葉月は三成へ言う。
「成、おとうさんに抱っこしてもらいなさい」
葉月はずい、と成を三成へ押しつけ、三成はおそるおそる成を抱く。
慣れない様子の三成に成は抱かれにくいせいか、「おっ!」と四肢をばたつかせておろせと怒る。
「わっ」
「あぁ成、こっちおいで」
三成のあまりに抱くのが下手なのを見て、葉月は成を受け取る。
「…なかなか、こどもを抱くのも難しいものですね」
苦笑する三成はそれでももう一度、葉月を優しく見つめる。
「…おかえりなさい、葉月さん」
その視線と声に葉月も三成を見つめて答える。
「…はい…遅くなりました…」
そこへ咳払いをしながら春が寄ってくる。