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そして今日も生きていく【R18】

第16章 それぞれの生きる道


樹輝side

俺は無事に会社を継いだ。
これまで大変だったが……

「月……俺、誰とも結婚しないことにした。俺にはお前しかいない。この能力も俺が墓まで持っていく。」

そうすればもう苦しむ人はいなくなる。

月の墓の前で手を合わせる。

陽と会えたか?
母さんとも。

俺もいつになるか分からねぇけど、そっちに行くから待ってろ。

仕事帰りに必ず墓参りをしていく。
疲れも何故かそこに行くと忘れてしまう。

1人寂しく暗い道を歩く。

「……樹輝……」

「っ!」

月の声がした。
間違いない。
この路地裏からだ。
携帯の光で照らしながら奥に進む。

「何やってんだ?」

後ろから警官に声を掛けられた。

「いえ……ちょっと……って将樹……」

「樹輝?」

そっか……夢叶ったのか。

「月の声がしたから、見てみただけだ。けど、やっぱ居なかったよ。」

「……そうか。早く帰れ。もう遅い。」

「あぁ。」

気のせいか……帰ろう。

そう思い足を進めようとした時、違和感を感じた。
足元に何かいる。

見てみると黒猫だった。
まだ小さい。

抱きかかえてみると、目が左右で違った。
青と黄色……

『生まれ変わったら樹輝に会いにいくから。』

っ!
月?

野良猫なのに凄く懐いている。
もう1匹足元にいた。

「そうか……お前らここにいたのか……」

2匹同時に鳴いた。
双子……か……

何故か月と陽な気がして、俺は2匹を連れて帰った。

そして、それぞれに、『ヒカル』『アタル』と付けた。

「これからよろしくな。」

本人じゃないかもしれない。
それでもいい。
俺はこの6年間、ぽっかりと空いた穴が埋まった気がした。

能力者という存在はまたいつかバレるかもしれない。
それでも、俺達はひっそりと暮らして小さな幸せを噛みしめて……

今日も生きていく。

~END~
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