第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
帰り道の姫凪は
思った以上にいつも通りやった
話す内容もいつも通りで
治の事にも触れるし
サクラの話もする
少し無理してるんやろけど
パッと見じゃ
そういう風には見えんくて
益々健気に思えてくる
横顔がヤケにきれいに見えて
しばらくボーッと眺めてると
『侑?どないしたん?
聞いてんの?』
怪訝な顔が
俺を見上げてる
「ん?あぁ…スマン。
腹減って聞き流してもうてた」
咄嗟に逸らす目
でも逸しきれてない心の目は
『なんやて!!
ホンマありえへん!
私の喉の乾き返してや』
膨れるその顔すら
俺の記憶に焼き付けていく