第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②（宮侑、宮治）

「治〜！
侑は傘も持たんとデート行ったん？
これ、もう降るで？
アンタ届けたりよ」

冷蔵庫を漁ってた俺の背中に
オカンの声

「は？嫌や。
傘くらい買うて。
なんで俺が…」

「アホ！勿体無いやろ！
家に傘あんのに！
なにしに新品買わなアカンねんな！
届けたり！帰りにプリン買うても
エエから！ほら！行き！」

500円玉を押し付け
俺をキッチンから追い出すオカン

「…分かった…」

プリンに釣られたわけやない。