第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②（宮侑、宮治）

「なんや？
今日は一人か？
姉ちゃんどないしてん？
なんかあったんか？」

そんな俺に
側を通り掛かった北さんが声を掛けて来た

何で見分けつくんですか？って
疑問は愚問やろう。
この人は、よう見とるから。

ただ見てるからこそ

「なんで何かあったと
思うんですか？」

ちょい、気になった。

北さんに問いかけてみると

「この前、会うた時から
顔色悪いなと思とったんや…
だから風邪でも引いたんやないかて…」

淡々と応えて

「あぁいうタイプは
ギリギリまで我慢するから
気をつけたりや」

汗を拭きながら
部室に帰って行った