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Redline【気象系BL】

第4章 秘密〈N×S〉


~N.




理科室特有の匂いが立ち込める部屋の窓を開け、
次来るクラスのために授業の用意をする。
取り敢えず窓は全部全開にして、
前のクラスでやった実験の匂いを消していく。
「はぁ〜…匂い取れねぇ、」
そう呟いたと同時に授業開始のチャイムが鳴った。

「おいおい、お前ら3分遅刻なー、」
遅れて来た生徒らに言えばしょうがないでしょ!
と文句を言っていた。
今回の授業内容は結構難しめなので、
まぁ特定の人は寝てるわ、女子は女子で話してるわ。
まったくね、俺も呆れちゃいますよ、
「皆欠課にすんぞ、」
欠課の印を名簿につけながら言えばすぐに
起きる男子。

「櫻井、おい起きろ」
側により、ぺしりと伏せている頭を叩けば
一瞬びくりとしたあと、のそりと起き上がる。
「なに、痛いんだけど…、」
「ちゃんと聞けよ」
「はぁー、だる…」
察しました?皆さん。この学年で一番の問題児こと
櫻井翔。
金髪にピアスして、授業はほとんど寝てて。
俺も他の先生も手を焼いている。


まぁ、俺の場合、ギャップに手を焼いてるん
ですけどね。
「放課後、来いよ」
そう小声で言えば、
「ん、わかった、」
と言い、再び頭を伏せた。
流石問題児とでも言いたくなるような即寝、
「んじゃあ、今日はここまでなー、」
授業終了の1分前に授業を終わらせる。

今日はこれ以降、授業はないから、暇になるな、
なんて思いながら、さっき使った教科書などを
片付けていると、
見た目によらないふわふわの金髪が凭れかかってきた。
「なぁーによ、ちゃんと授業でろ、」
「やだ、もう俺頑張ったもん、」
授業中の態度とは打って変わって、ぎゅうぎゅう
俺に抱きついてくる翔ちゃん。
「寝てるだけでしょうが、」
そう言えば、頬を膨らませながら無言で俺の脇を
小突いてくる。
何なの、可愛過ぎでしょ…、



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