第2章 紅雷とヘリオス
「紅雷様、紅雷様」
「?姫さん?呼ばれてますよ?」
ヘリオスと読書をしていた時、呼ばれていたことに気が付かなかった
『え、あ!ごめんなさい・・・なにか御用ですか?』
ヘリオスを従者にして早2年、あの時5歳だった私も7歳になった
そして最近、思うこともあった
「どうしたんですか姫さん?名前を呼ばれてもぼーっとしてますよ?」
2つ年上だったヘリオスは9歳、身長もぐっと伸びた
顔をあげないと目が合わせられないほどに
『ヘリオス、私可笑しいのかも・・・』
「姫さんはいつもおかしいですよ」
あ、すごく失礼だこの人
『最近ね、紅雷って私の本当の名前じゃないって思えてきたの』
「はぁ?」
ヘリオスは意味がわからないというふうに首をかしげた
ほんと、この人って感情を隠さないな・・・そこがいいんだけど
『物心ついた時から私はここの国の人じゃないって感じていたし、実際そうだと思う。ほらこの髪色が何よりの証拠だし・・・
それに紅雷って名前も本当の名前じゃないのかもって思っていたのも昔から・・・。けど最近それが確信したの』
「え?ちょ、どういうことですか?オレ全くわからないんですけど・・・」
『私の、本当の名前は____リゼン』
「・・・・・・リゼン・・・?」
『そう、頭のどこかでずっとそう呼ばれているの・・・リゼンって、俺の愛し子って!ねぇ、これは誰なの!?』
「ちょっ、落ち着いてください姫さん!」
この歳になってからずっとそうだ
寝ても覚めてもずっと頭の片隅でリゼン、リゼンって呼んでくる
《リゼン、俺の愛し子・・・すまない、こんなことになってしまって・・・。》
《俺はソロモンに逆らうがお前は運命の導きのまま・・・幸せに暮らしてくれ。ここではないどこかで・・・いつかまた、会おう。俺の愛し子に我らが父の加護ぞあれ》
だれ、ソロモンってなに?我らが父って誰よ!
『ヘリオス、怖いよ・・・』
「・・・大丈夫、大丈夫です!オレがいます!」
もう、わからない・・・私は一体なんなのだろう・・・