第2章 小さな手
《としみつside》
えりが岡崎に帰ってきた、明日会える。
今日は自分でも驚くほど機嫌が良かった。
『早く明日にならんかなぁ…』
無意識にそう呟いていた。
「明日何があるの?デート?」
りょうが楽しそうに聞いてくる。
やべ、聞こえてたのか…
『…久々に、幼なじみに会うんだよ。岡崎帰ってきたから。』
「あぁ、あのたまに電話してた子か!」
「可愛いんでしょ?今度てつやん家連れてきてよー。」
『ぜってぇ、嫌だ。』
「えー、ケチだなぁ、としみつは。」
そう言うと、りょうはてつやたちの会話にさり気なく混ざった。
あんな女好きの男どもに、えりを会わせる訳にはいかん。
ぜってぇ、絡みまくるに決まってる。